〜第二章〜
案ずるより生むが易い。
そんなありきたりな言葉の意味を、今更ながら実感してしまう。
「そっか。四葉のクローバーって、ただの幸運のお守りってわけじゃないんだね」
「うん。幸運っていう意味もちゃんとあるんだけど……」
俺の方から思い切って話題を振ってみたら、菜々子ちゃんと思ったよりも自然に話すことができた。
今まで悩んでいたことが馬鹿みたいに思えるほどだ。
今夜もおまじないの話をしつつ、夜道の中を菜々子ちゃんの自宅まで送っていく。
この話題がこの娘と話すのに一番便利な話題だということに、俺は今更ながら気が付いた。
っていうか、最初からこうしてればよかったな。
……ちなみに、るーこから教えてもらったおまじないはまだ実行していない。
よくよく考えてみたら、『アレ』を渡すのも結構恥しいものがある。
それに菜々子ちゃんともこれだけ仲良く出来たなら、これ以上小細工する必要もなさそうだ。
あれは、俺が菜々子ちゃんに話しかけるための心のきっかけだったということにしておくのが無難かもしれないな。
「それでね、四葉のクローバーには花言葉があるんだけど……」
「あ、うん」
自分だけの思考に流れかけていた意識を、菜々子ちゃんとの会話に引き戻す。
こうして話をしてくれる菜々子ちゃんは、やはりるーこと話しているときほどの明るさはなかった。
何かを話す度にしきりとこちらの顔色をうかがっているように見えるのは、たぶん気のせいではない。
まるで臆病な子猫みたいだな。
俺、そんなに怖い顔はしてないと思うんだけどなあ……
まあ、それでもおまじないなどほとんど知らない俺に一生懸命に説明してくれる菜々子ちゃんの態度は素直に嬉しいと思えた。
少し大げさな言い方だけど、やっと心が通じ合ったみたいにも感じる。
「でね、クローバーの葉っぱ一枚ずつに、それぞれ希望、幸福、愛情、健康、という花言葉があるの」
「縁起がいいんだね」
彼女の言葉に頷きながら、俺は菜々子ちゃんが親友を見送るために必死になってそのクローバーを探していたことを思い出す。
たしか、病気の母親がいるというゆっこちゃんのためにそのクローバーが必要だったんだっけ。
「そして、その四枚の葉が揃った時に”真実の愛”という意味になるの」
菜々子ちゃんはさらりとそう言った。
し、真実の愛か。すごい言葉を口にするなあ。
こんな言葉、俺が使ったら大爆笑されるか、さもなくば病院行きだ。
思わず菜々子ちゃんの顔を覗き込んでしまうが、別段照れた様子も見られない。
むう……ツワモノだ。
「お兄ちゃん、どうかしたの?」
「い、いや。なんでもないよ」
まあ、いいじゃないか。菜々子ちゃんはまだ小学生なんだ。
とはいえ、小学生でも滅多に口に出来ないと言葉だとは思うんだが……
それでも菜々子ちゃんが口にするなら許されるような気がするのは何故だろうか。
ただ単に子供だからというだけではない純粋さが、菜々子ちゃんにはあるように感じる。
こうして俺の隣をしずしずと歩く菜々子ちゃんの姿を見てもそう思える。
(間違いなく可愛い娘ではあるんだけどな……)
今日の菜々子ちゃんは落ち着いた空色のワンピースと、大人しいロングスカートを身に着けていた。
その服装には彼女の冒険心というか、自己主張と呼べるものがほとんど見られない。
菜々子ちゃんの大人しい印象ばかりが目立ってしまう衣装だった。
似合っているし可愛いとは思うけど、なんとなくもったいないとも感じる。
もし文部省推薦の小学生向けのファッション雑誌がこの世にあったなら、菜々子ちゃんのファッションはその表紙を飾れるタイプだ。
彼女に初めて会ったときも思ったけど……
(まるで綺麗なお人形さんみたいなんだよな)
そしてるーこが素敵だと褒めたその髪は、真っ直ぐ落ちるとても素直なロングストレートで、微かな街灯の明かりに楚々として輝いていた。
清楚で艶やかな髪だった。
絶対パーマなんてかけたこと無いだろうな。
きっと髪を染めたこともないだろう。
お母さんに言われたとおりに、毎日丁寧に櫛を入れて大事にしているのかもしれない。
そういう菜々子ちゃんの姿ぜんぶが彼女の素直で純粋な性格を表わしているように思える。
”真実の愛”なんて言葉を、気負うこともなく口にしてしまう彼女自身を。
「まあとにかく、四葉のクローバーがとてもおめでたい代物だっていうことはよく分かったよ。だからあんなにも一生懸命探していたんだね」
「うん……あのときは色々手伝ってくれてほんとありがとう、お兄ちゃん」
そう言って、かしこまって俺に頭を下げる菜々子ちゃんに、少し困ってしまう。
この件ではもう何度彼女から頭を下げられたか分からない。
「お礼はもう十分だよ。それにたいしたことをしたわけじゃないから」
「でも……」
「かわいい菜々子ちゃんが、親友のお母さんの病気が治るようにって一生懸命探していたんだもの。喜んで手伝わせて貰うさ」
「か、かわいくなんて……ないです……」
菜々子ちゃん夜目にも分かるほど真っ赤になって俯いてしまった。
あ、こいうのは恥ずかしいんだな。
不思議なものだ。
「それに、あのクローバを菜々子ちゃんが送ったのは、ゆっこちゃんが大好きだという気持ちを伝えたかったからでもあるんだね」
「う、うん……そうなの」
それが”真実の愛”という言葉に込めた思いなんだろうな。
ほんと、いまどき驚くくらい純真な娘だなあ……
「でもね、あの時、あたしもうひとつおまじないをしてたの」
「そうなの?」
「あの時四葉のクローバーを探していたこと自体がおまじないなの」
「そうだったの? それはどんなおまじない?」
「えっと……」
俺が突っ込んで尋ねると、今まで元気に話をしていてくれた菜々子ちゃんが急に口ごもってしまった。
「それは……ひ、ひみつ」
「ひみつ? どうして?」
「ちょ、ちょっと恥しいことだから……」
そう言って困ったように黙り込んでしまう。
なんで? さっきまで十分恥ずかしいおまじないの話をしていたと思うんだが。
”真実の愛”より恥しいおまじないがあるんだろうか?
それは聞いて見たいような、ちょっと聞くのが恥ずかしいような。
……でも、聞いてみたいよな。やっぱ。
「いいじゃない。教えてよ」
「ほ、他のおまじない教えてあげるから。いっぱい知ってるんだよ?」
菜々子ちゃんは慌てて別の話題に俺を誘導しようとする。
なんだか必死で話を逸らそうとしているのは明らかだが、そんなに知られたくないことがあるのだろうか。
まあ、あまりつっこまないでおいてあげようか。
「どんなおまじない知ってるのかな」
「えっとね、もっと勉強が出来るようになるおまじないとか、もっと背が伸びるおまじないとか……」
あはは、背が伸びるおまじないか。
そんなおまじないを一生懸命実行している菜々子ちゃんをなんとなく想像してしまう。
なんだか微笑ましいな。
それから少しは身長が伸びたのだろうか?
俺の胸まで届かない菜々子ちゃんの背丈を見て、つい尋ねてしまった。
「願い事、叶った?」
俺は口に出してしまってから、それが無粋な質問だったとちょっと後悔する。
案の定、菜々子ちゃんはちょっと悲しそうに微笑んで、静かに首を横に振った。
「やっぱり、そう上手くはいかないよね」
「そっか……」
やっぱり、菜々子ちゃんでもおまじないが万能だと信じているわけではないんだな。
そりゃそうだよなあ。普通。
俺がUFOや幽霊の存在を本気で信じていたのはいつまでのことだったろう。
思い返してみてもはっきりしない。
例えば俺が小学生の頃。クラスのみんなで超能力について騒いでいたあのとき。
TVの特番で超能力の特集があった次の日の学校で、みんなで夢中になって給食のスプーン曲げをした。
でもあのときだって夢中ではあったけど、心の底からそれを信じていたのとは違うような気がする。
「でもね、あたし……」
「なに?」
「おまじない、やっぱり叶うと思う。いつかは」
菜々子ちゃんは、はっきりとそう言った。
大人しい菜々子ちゃんにしては、意外なほどはっきりとした口調だったので、俺は少しだけ驚いた。
「それに、誰かと一緒におまじないをするのって、とっても楽しいから」
「そうなの?」
「うん。おじいちゃんが、”今日一日元気でいられますように”って、おまじないしてくれると嬉しいし、ゆっこちゃんと一緒に恋のおまじないをしたり……そんなときに、あたしとっても嬉しい気持ちになるの」
「そっか……」
まあ、それはなんとなく分かる。
UFOの話だって、ネッシーの話だって、一緒に盛り上がってくれる仲間がいればとても楽しい話題だった。
そんな風に誰かと気持ちが触れ合えるような遊びは、子供ならだれしも持っているものだ。
それがたとえばTVゲームだったり、カードコレクションだったり、そしておまじないだったりするのだろう。
「ただの夢かもしれないけど、それでもあたしはやっぱりおまじないが好き」
なるほど。これが菜々子ちゃんにとってのおまじないなんだな。
「いいと思うよ、そういうの」
「そう?」
「うん。俺も好きだよ。菜々子ちゃんのそういう気持ち」
「えへへ……そうなんだ」
俺の言葉に、菜々子ちゃんは少し照れたように微かに微笑んだ。
素直な笑顔だと思った。
なんだ。ぜんぜんいい娘じゃないか。
菜々子ちゃんの笑顔を見て気が変わった。
あんなもの渡すのはやめようと思っていたけど……
「ねえ、菜々子ちゃん。俺とも一緒におまじないしてくれるかな?」
「え? お兄ちゃんと?」
「うん。このあいだるーこに教えてもらったんだ」
俺は苦心して作った飾り物を菜々子ちゃんに差し出した。
できそこないのミサンガのようなアクセサリー。
るーこの指導を受けて俺が作ったものだ。
この不細工な代物を作るために数日を費やした。
思えば苦しい日々だったな……
『何だ。この不細工なものは。だめだめだぞ、うー』
るーこは俺が苦心して完成させたアクセサリーを一瞥して、そう吐き捨てた。
『だめだめって……お前の言う通りに作ったらこうなったんだぞ』
『いいや。この作品には決定的に足りないものがある。それは愛だ』
……何が愛だ! お前は詩人か?
『このひどい出来はいったいなんなのだ。なさけない、お前のちびうーに対する愛はこの程度か? 見損なったぞ、うー』
『そんなこと言われてもなあ』
『作り直しだな。この程度では、お前にちびうーはやれないぞ』
『はいはい。わかったよ、やり直せばいいんだろ』
そうして悪戦苦闘すること約三日間。
やっとるーこの審査を通過するものが完成した。
『うむ、見事な出来だ。決して上手ではないが、うーのちびうーに対する深い愛が感じられるな。これをうーがちびうーに結んでやれば、ちびうーの全てはうーの物だ』
『……もうどうでもいいから寝かせてくれ……』
二日連続で徹夜した俺は、そこでばったりと倒れ込んだ。
そこまで苦労して作ったアクセサリーだけど、未だに菜々子ちゃんに渡すことは出来ていない。
考えてみたら、こんなもの手渡すというのも相当に恥ずかしい行為だし。
いくらおまじない好きな菜々子ちゃんでも引くかもしれない。
そう思って今日まで渡さなかったのだが……
案の定、俺が差し出したそのアクセサリーを見て、菜々子ちゃんが目を丸くした。
「ええっ?! ひょっとして、るーこお姉ちゃんが言ってた男のひとってお兄ちゃんだったの?」
「えっと……これって、菜々子ちゃんと仲良くなれるおまじないで間違い無いんだよね?」
「う、うん。確かにそれはそういうおまじないだけど……」
しどろもどろに菜々子ちゃんは頷いてくれた。
よかった。間違ってはいないらしい。
「じゃあこれ、受け取ってくれる? 俺が作ったんだけど、菜々子ちゃんに貰って欲しいんだ」
「で、でも、そんな……あ、あの……」
なんだか菜々子ちゃんはかなり動揺しているようだ。
こんなの大層な物を作って贈るって、やっぱり変だったか?
「あの……本当に、お兄ちゃん、わたしのこと好きなの?」
「あ、ああ……まあ、えっと……そういうことになるのかな」
「そ、そうなんだ……すごく驚いた」
相変わらず、菜々子ちゃんは恥ずかしいことをはっきり言うなあ。
俺はただ友達になりたいだけなのに、『わたしのこと、好きなの?』なんて聞かれると恥ずかしくて仕方ない。
菜々子ちゃんも困っているようだし、もうこの辺でやめておこう。
「ごめん……ちょっと暴走したみたいだ。菜々子ちゃんが迷惑なら……」
「あ、あの! ちがうの!」
「え?」
突然大きな声で叫んだ菜々子ちゃんに、また少し驚く。
「別にお兄ちゃんのこと嫌いじゃなくて。ただ突然だったから……えっと……」
菜々子ちゃんは、言葉を捜すかのようにうつむいた。
そして、気持ちを落ち着けようとするかのように深呼吸。
「迷惑、なんてそんな悲しいこと言わないで。別にいやってわけじゃないんです。それに、今日はお兄ちゃんといつもより仲良しになれて、嬉しかったし……」
「そうなの?」
「うん。だから、迷惑なんかじゃないです……」
「う、うん。わかったよ」
まあ、嫌われているわけではなかったようだ。
それならとりあえずいい……のかな?
「でも、あの……こんなこと、突然で、どうしていいか分からなくて……だからお返事はもう少し待ってください」
「そりゃいいけど……お返事って?」
でもやっぱり変だ。菜々子ちゃん、なんだかちょっとおおげさじゃないか?
「別に、そんなに深く考えることじゃないと思うけど」
「だって……やっぱり、簡単に恋人なんて決められないし」
「え? 恋人?」
なんだか変な言葉が聞こえた気がする。
何かがおかしい。
「あ、あの……このアクセサリー、しばらく預かってもいいですか?」
「それはいいけど……じゃなくて、あのさ、ちょっと待って……」
「ごめんなさい! 今はゆっくり考えたいんです! 何も聞かないで下さい!」
いや、そういう話じゃなくてさ。
もう、あきらかに何かがおかしいと思うんだけどそれをどう説明したらいいのか……
と、
「じゃあ、ここからは一人で帰れますから! ご、ごめんなさい!」
そして、いつもの菜々子ちゃんとは思えない素早さでその場を走り去っていった。
気づいたときには、引き止める言葉も届かないほど彼女の後姿が遠い。
菜々子ちゃん、意外と足速かったんだな……
っていうか、これは一体どういうことだよ。
恋人って何??
この、異常な状況の心あたりは一つしかなかった。
自宅に帰ると、今回の事件の張本人がソファーにふんぞり返って新聞を広げていた。
「どうだった? るーの教えたおまじないは最高だったろう。菜々子と”こいびと”になれたのか?」
「……」
ちょうど手元にスリッパがあった。
そいつで思いっきりるーこの額に一撃を入れる。
室内に高らかに響く、実にいい音がした。
「い、痛いぞ、うー。恩を仇で返すと地獄に落ちるのだぞ」
「地獄に落ちるのはお前だ! 間違えるなとあれほど注意したのに、お前の耳は節穴か!」
いや、確かに地獄に落ちるのは俺かもしれない。
すまん、菜々子ちゃん。本当にすまない……
せめてこのタチの悪い宇宙生物だけは懲らしめておかないと、彼女に申し訳が立たない。
「いったい何が気に入らないのだ? ちゃんとちびうーに仲良くしたいという思いは伝ったのだろう?」
「つ、伝わったけど……伝わればいいってものじゃないだろ! 友達と恋人じゃぜんぜん違うぞ!」
「そんな細かいことは、仲良くなってから修正すればいいのだ。人と人との出会いにすれ違いはつきものだ。いちいち細かいことを気にしていたら、誰とも仲良しにはなれないぞ」
「なるほどそうか。思えば俺とるーこも最初はそうだったよな……って、そんな納得が出来るかぁ〜〜!!」
幸いなことに、スリッパがもう一足あった。
俺はその幸運に感謝しつつ、もう一撃。
気のせいか、さっきよりいい音がした。
一方その頃…………
「はあ……」
菜々子は自分の部屋のベットに転がりながら、一人溜息をついていた。
「まさか、お兄ちゃんがわたしのこと好きだったなんて……」
さっきから、ずっと頬が熱い。
家に帰ってきたとき、お母さんに『熱でもあるの?』なんて聞かれてしまった。
おかげでちょっとばれそうになって大変だった。
「まさかこんな想像はしてなかったなあ」
もう一度溜息。
「と、とにかく、明日にはお返事しないといけないよね……」
ベットから起き上がって、乏しい想像力を働かせて懸命に考えを巡らせる。
だがもともと恋愛事には疎い菜々子だった。自分の中に答えは見つからない。
この状況は何もかもが菜々子の想像を超えていた。
ゆっこちゃんに電話して相談したかったが、もう夜も遅い。
自分だけで考えて決めなくてはいけないだろう。
「何で、わたしのことなんか好きなんだろう……」
結局は、思考がそこに行き着く。
自分があの人に好かれる理由が特に思いつかなくて戸惑うばかりだ。
一体いつごろから自分のことを気にしてくれていたのだろうか?
不意に思い出す。
「そういえば、四葉のクローバーを探したときも、あんなに一生懸命になってくれたなあ……」
あの人は、自分のために、公園を、学校を、川原を、駆けずり回って暗くなるまで一緒に探してくれた。
大きなお屋敷に住んでいる、ちょっとだけおっかないお姉ちゃんに頭を下げて四葉のクローバーを手に入れてくれた。
そして、最後は駅まで送るために自分を背負って走ってくれた。
そこまでしてくれなかったら、きっと見送りには間に合わなかっただろう。
「もしかして、あたしのことが好きだから、あんなに頑張ってくれたのかな……」
そう思うと、なんだか切ない気持ちになる。
勉強机の引き出しを開けると、そこにはさっき受け取った手作りのアクセサリーが大切に納められていた。
これはまだ預かり物だ。
でも、このアクセサリーを身につけたら、あの人からの気持ちを受け入れたことになるだろう。
もし明日身に着けていかなかったら……彼は悲しむかもしれない。
菜々子は自分を好きだと言ってくれた人を悲しませたくはなかった。
できることなら喜ばせてあげたい。でも……
「でも、どうしたらいいんだろう……」
呟いて、もういちどアクセサリーを見つめる。
アクセサリーと呼ぶには寂しい、飾り気の無い無骨な品だった。
多分、あの人が初めて手作りで作ったものだろう。
実はこれに似たアクセサリを、ゆっこちゃんと一緒に作ったことがあった。
簡単そうに見えても、初心者が初めて作るには意外と難しい。
「お兄ちゃん、頑張って作ってくれたのかな……どうしてわたしに?」
そう思うと、さらに頬が熱くなる。
「はあ……」
もう一度溜息。
その夜、菜々子は朝まで眠ることが出来なかった。
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上に
以上が『菜々子ちゃんと見上げた空〜第二章〜』です。
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