修学旅行の告白事件
第四回

これは、SSではありません。
巷で噂の”成分解析”というツールを使わせて頂いて作ったレクリエーションです
なお、”成分解析”ツールの配布元はこちらになります。

★カドルコア世代☆ http://tekipaki.jp/~clock/index.html

タマ姉 「さて……次の犠牲者は誰がいいのかしらね……」
由真  「ぎ、犠牲者……」
イルファ「そうですね……わたしたちだけがこのような思いをするのは、不公平だと思います……」
このみ 「こ、怖いよぉ……ふたりとも……」
タマ姉 「さあタカ坊、次の検査対象をあなたが選びなさい」
貴明  「お、俺が選ぶのかよ……」
イルファ「貴明さん……わたしのことは傷物にしておいて、他の方のことは守ろうとするのですか?」
貴明  「き、傷物って……(汗)」
タマ姉 「なあに? 選べないっていうの?」
貴明  「い、いや……その……じゃ、じゃあ……笹森さん、君に決めたっ!」
花梨  「な、なんで私なのよ〜〜!! たかちゃんのうらぎりもの〜〜!!」
貴明  「ま、まあミステリ研なんだしさ。自分自身で調査してみるのもいいんじゃないかな? 危険は無いし」
笹森  「むー。仕方ないなあ……たかちゃんのためにつきあってあげるか」
優季  「精神的には結構危険な検査だと思うのですが……」

ぴっぴっ……

笹森 花梨の成分解析結果 :

笹森 花梨の39%はむなしさで出来ています。
笹森 花梨の19%は情報で出来ています。
笹森 花梨の19%は純金で出来ています。
笹森 花梨の12%は毒電波で出来ています。
笹森 花梨の9%は保存料で出来ています。
笹森 花梨の2%は蛇の抜け殻で出来ています。

花梨 「む、む、『むなしく』なんかないもーーん!!」
春夏 「あらあら……ただの検査なんだから、あんまり気にしちゃ駄目よ」
花梨 「ひどいなあ……もう、たかちゃんのいじわるっ!!」
貴明 「なんで俺なんだよ……」
雄二 「『情報』が19%か……信頼性はともかくとして、ミステリ研の情報収集速度はあなどれないからな……」
愛佳 「『毒電波』って、なんなんですか?」
花梨 「SFなんかに出てくる、他人の思考に悪影響を与える電波のことなんよ。電波系っていう言葉もあって、自分が宇宙からの電波に操られているんだって主張する人々が、現実にもいるのよねー」
由真 「それって単なるヤバイ人なんじゃ……」
花梨 「でも、キツネ憑きなどの幻聴や幻視は長い歴史とさまざまな証言があって、社会的にもあなどれない現象よ?」
ささら「その『毒電波』が12%ですか…… 笹森さん自身にも毒電波の心当たりがあるのですか?」
花梨 「さあ……? チャネリングなら何度もやったことはあるけど……宇宙からの声はなかなか聞こえないんだよねーー」
雄二 「そんなこと言ってること自体が、なんか怖いんだが……」
由真 「あたしは『純金』っていうのが気になるんだけど……笹森さんって、お金持ちなの?」
花梨 「花梨ちゃんはお金なんかぜんぜん持って無いよう…… ミステリ研だって、部費は全然無いし……ぐすん」 
ささら「大丈夫? 泣かないでね……」
花梨 「優しいのね……そうだ! 久寿川さん! 可愛そうな花梨ちゃんと、可能性溢れるミステリ研に、もっと愛を! もっと部費を! ちょうだい、ちょうだい!!」
ささら「そ、そう言われても……」
このみ「ええっと……『保存料』っていうのは、おせんべいのしっけないやつ?」
春夏 「それは乾燥剤ね。『保存料』は微生物の活動を抑制して、腐食を遅らせるものよ」
雄二 「どれもこれも、よくわからん……」
愛佳 「なんだか、笹森さん自身がミステリですね……」
貴明 「ちょっと叩かれたぐらいで、腐るような娘じゃないってことかもしれないな……」
イルファ「たしかに、こんな検査結果でも、部活動の活性化に利用するなんて……」
タマ姉「転んでも、タダでは起きない娘なのね」
ささら「ミステリ研を支援する必要はなさそうですね……笹森さんがいれば」
るーこ「ちなみに、こんな結果も出たぞ」

会長の成分解析結果 :

会長の49%は勢いで出来ています。
会長の38%は微妙さで出来ています。
会長の8%は陰謀で出来ています。
会長の5%は度胸で出来ています。

貴明 「……『勢い』、『陰謀』、『度胸』……か。どれも、敢えて説明するまでもないな。人生の半分くらいは勢いだけで生きてるような会長っぷりだ」
ささら「……少し、うらやましいかな……」
貴明 「『微妙』な人生だけどね」




花梨 「まあ、この検査が宇宙人の陰謀だってことが分かったわけだから、ちょっと収穫があったかな」
貴明 「陰謀に決定なのか……」
るーこ「失礼だぞ、うー。るーは陰謀など企んでいない。これは純粋な分析調査だ」
花梨 「ぶー。そこまで言うなら本人がやって見せてよー」
るーこ「む……よかろう、次はるーの出番だ」
花梨 「やったね! たかちゃん、これでスペースピープルの秘密がなにか分かるかも!」
貴明 「うまく乗せたなあ」

ぴっぴっ……

るーこ きれいなそらの成分解析結果 :

るーこ きれいなそらの53%は勢いで出来ています。
るーこ きれいなそらの43%は媚びで出来ています。
るーこ きれいなそらの3%は波動で出来ています。
るーこ きれいなそらの1%はミスリルで出来ています。

タマ姉「これはまた偏ってるわねえ……」
愛佳 「『勢い』だけなら笹森さんよりすごいんですね……」
るーこ「うむ。るーはうーよりも優れていると証明できたな」
雄二 「『勢い』だけはな」
由真 「『勢い』だけで、優れてるって言えるのかな……」
貴明 「それ、お前が言うのか?」
花梨 「『媚び』が43%もあるじゃない。やっぱり今は媚びておいて、地球の侵略を企むつもりなの?」
貴明 「それはさすがにないと思うぞ……そうだろ? るーこ」
るーこ「地球の言葉で意訳しているから、るーには意味が分からない。『媚び』とは、どんな物なのだ」
このみ「ええっと……一言で言うと、みんなに好かれるように努力することかなあ……」
るーこ「うむ。それは良いことだな。たしかに今のるーは、星の代表としてうーや、うーのいろいろなものと親しくなりたいと思っているぞ」
このみ「そうなんだぁ。立派だね、るーこさん」
るーこ「うむ」
郁乃 「……意味が途中ですり替わってる……」
貴明 「なんでも自分に都合よく解釈するのがるーこ流、ということだな……」
このみ「あれ? こんな結果も出たよ」

ルーコの成分解析結果 :

ルーコの77%は月の光で出来ています。
ルーコの23%はむなしさで出来ています

愛佳 「るーこさん、『月の光』で出来てるんですね……なんか納得できるかも」
優季 「なんだか神秘的ですね……」
るーこ「なんだ? 優季は”くー”が好きなのか? 連れて行ってやってもいいぞ。片道だが」
優季 「え、遠慮させて頂きます……」
このみ「そして、残りは『むなしさ』……」
るーこ「23%か……うーかりの『むなしさ』は39%だったな。『むなしさ』では、るーこの負けだ。誇るがいいぞ、うーかりよ。るーよりも、うーのほうがよりむなしいと証明されたのだからな」
イルファ「……あ、あの……それは誇ることではないんですが……」
花梨 「…………たかちゃん…………」
貴明 「……なんだ?」
花梨 「スペースピープルとのコミュニケーションって、難しいね……」
貴明 「まったくだ」




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